儀式

2011年01月06日 21:36

実家から愛知の自宅へ戻ったその日。
普段ならどうと言うことのない荷物の重さに肩を凝らしながら自分の部屋に直行する,一般的にはこれが当たり前の光景だろう,いつもなら自分もそうする。
ところが,自分の右手に握られたキーケースの鍵はちょっと厚めの家の鍵・・・ではなく,今時やけにほっそりと頼りないクルマのキーだった。

そそくさとインプの運転席の鍵を開け,キーを捻る前にボンネットまで一度開け放つ。
クーラントの量だけ確認し,地面のエンジンの真下を何とか覗き込んで何かオイル等の液体の類が漏れ落ちていないことも確認する。
ここまでは全く問題無さそうだ。
数日以上間を空けてインプを動かさなかった時に,本当に問題が無いか一通り確認してしばらく遠乗りして目覚ましを掛けるのが何だかんだで癖になっている。
劣化も性能も充分に余裕のある新車ならいざ知らず,ココまでのご老体だとむしろ常に動かしていないとあっという間に呆けたかのように何処かが逝ってしまう。
そんな経験をもうかれこれ毎年のように経験しているから,2~3日ならともかく短かった連休とは言え1週間丸まる動かしていなかった今回,果たして何の壊れも音も無く動いてくれるかどうか・・・,実は不安であった。

インチの低くなったスタッドレスなど一通り見渡し,さてエンジンをクランキングする,クランキングなんて実は死語なのかもしれない。
さすがに1週間置き去りにして冷え切ったエンジンだけに,一瞬火が入るのが遅れたように感じた。
が,不安になっていた割には,あっさりといつも通りのドロドロ・・・と野太い音を立てて眼を覚ます。
ここでようやく部屋に重い荷物を放り投げて片付けることにする,その間アイドルを続けさせエンジンだけとは言え確実に暖気を済ませた。

そしてココからが本番。
インプの,と言うよりそもそも1週間寝正月で何もしていない自分のリハビリの開始である。
相変わらず接点が大分遠くなったクラッチをゆっくりと繋ぎ,スルスル・・・と走り出す。
ブレーキもブレーキで冷えまくりの錆びまくりだから最初の音は無駄にやかましい,これだけでもパッと見故障車に見えなくも無いだろう。
時間帯はまだ夕暮れ前,クルマが多い代りに視界もまだこの時期にしては明るい。
ここからはとにかくインプを"動かす"ことに注力する,半分は実家の雪の中でじっとしていた自分の鬱憤晴らし・・・な気がしなくも無い。
とにかく走れる内は国道を,渋滞で詰まってきたら何の目的も無く脇道へ降ろしてしまう。
こう言う時の行き先も何も無いドライブは貴重だ,愛知は特に主要な道路を走れば殆どの用は済ませられるから,自分でも意外な位知らない道がそれも近場でも多い。
単に自分の好奇心の問題かも知れないけどその日も結局「こんな道あったんだな。。。」と人に笑われそうな感慨にふけりながらアチコチ走っていた。
一通り走れば後は"何となく"でぐるりと回ってしまえばいい,気が付けばいつもの国道に戻る。

何時に無いくらい,エンジンもミッションもかなり広い範囲で動かしまくったけど,どうやら問題は無さそうだ,自分の感覚も大分目が覚めたと見える。
クルマも人間も「呆け防止に」なんて言われたらかなり危険な話だけど,自分にとってのドライブは何かとしっかりとした刺激を与えてくれているようだ。
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